リクルーター制度について
リクルーターとは
大学の先輩で、就活中に会社のことを教えてくれる人のことをリクルーターと言います。
会社側からすると、リクルーターに会社のありのままの話を聞くことで、会社への志望度をあげてもらうという狙いがあります。
実際に選考のステップとして利用している会社もあれば、あくまで参考程度にしている会社、単純に先輩訪問として選考とは別個としている会社など、様々です。
リクルーター制度があるかどうかは、正直なところ、大学のランクにもよります。
リクルーター制度は、会社からすると非常にコストがかかります。学生と面接中には仕事ができませんし、食事代や交通費などもかかります。そのため、有望と思われる層のみにアプローチするのは納得感がありますね。
体育会の部活などでは、特別にそのようなアプローチが来ることもあるようです。厳しい環境で部活をしていれば、それだけで有望と思われますし、先輩として訪問し易いことも理由ですね。
リクルーターを利用する業界
簡単に業界で分類できるわけではありませんが、ある程度の傾向はあります。
業界によっても、リクルーターの立ち位置が微妙に異なります。
下にいくつか例をあげますが、あくまで個人の経験と感覚なので、正確かの保証はできません。
しかし、もし下に志望業界があれば、チェックしてみるのをおすすめします。
- メガバンク
そもそも採用人数が半端ないのでわかりにくいですが、体育会などの特定の集団にアプローチがくることもあるようです。もちろん、採用のために必須というわけではないと思います。地銀については会社によると思いますが、だいたい先輩訪問という制度はあるようですね。
- 保険会社
だいたい上記の理由から、リクルーターがあるようです。こちらは選考への影響が大きいように思います。
- 証券会社
証券会社で働けるか、適正を見られているような気がします。上記2つにも当てはまりますが、製品に差別化が難しいことから、人となりを確認する必要があるのだと思います。
- 総合商社
そもそも総合商社に行くような人はネットワークを持っていると思いますが、だいたいは先輩社員とたくさん面談する機会があるようです。気に入られれば気に入られるほど、たくさん面談して、どんどん偉い人と話すみたいですね。ちなみに、絶対に必須かといえばそうでもないと思います。総合商社なので、本当に優秀な人がいれば普通にエントリーシートからでも通ります。
専門商社は、会社によるとしか言えませんね。商社は人を見るので、もし志望しているのであれば、出来る限り学生側からアプローチしていくのが吉かと思います。
- 上流メーカー
鉄や化学、重工など、上流に位置するメーカーは、リクルーターを利用している会社が多いように感じます。理由はよくわかりませんが、安定した結果を出してくれる人を採用するには、リクルーター制度が機能するのかもしれません。
ちなみに、メーカーでは某自動車系もあったりしますね。
- インフラ
ゼネコン、電力、鉄道、通信など、インフラ関係の仕事もリクルーター制度が採用されていますね。これらは、どれだけスペックが高くても、信頼できる人ではないと務まらないから採用されているのかもしれません。
リクルーターがつくタイミング
選考に組み込まれている、一般的なリクルーターがつくタイミングとしては、
- プレエントリー
- 説明会参加(大学別、個別)※就活イベントでもつくこともある
- エントリーシート提出後
- 1次、2次選考突破後
といったところでしょうか。
これらは、企業によっても変わりますし、大学によっても変わります。まずは大学のキャリアセンターや先輩などから情報を集めましょう。
上にあげた業界などにエントリーする場合は、意識しておきましょう。
説明会のアンケートや、エントリーシートの内容などで、リクルーターがつくかどうかが変わってきたりします。
また、少し上にもあげましたが、このような正規ルートではなく、リクルーターがつくこともあります。
それは、体育会の先輩経由であったり、知人の紹介であったり、いろいろです。
採用活動には、一般大学生が見えない多岐にわたる選考フローがありますが、自分が見えないものは仕方がありません。自分にできる努力をするしかないんです。
ここで紹介している業界などについては、少なくともこの記事を読んだ方は見えているはずなので、リクルーターがつくように頑張ってみてください。
リクルーターは何を見ているか
リクルーターがつくと、基本的には向こう側からコンタクトを取ってくれます。
平日のお昼かもしれませんし、土日かもしれません。
晩御飯を一緒にすることもあるかもしれません。
選考に組み込まれていれば食事がついてるということもなく、分類することは難しいですね。
こればっかりは、会社・社員の忙しさなどによって変わるので、一概には言えません。
電話がかかってきて、お互いのスケジュールを確認して、日程調整をします。
待ち合わせ場所、時間を設定して、当日顔合わせをします。
リクルーターの建前としては、先輩社員に会社のことをざっくばらんに話してもらうということです。
しかし、会社も非常に大きなコストがかかっています。企業は、一人の社員が働くのに、1時間1万円程度をマンチャージとして計上します。(業種にもよりますが)
そのようなコストをかけてでもリクルーター制度を行うということは、それだけ優秀な学生を囲い込みたいという意図の表れです。
つまり、なんとなく社員に話を聞かせてもらうという態度では、社員の目には止まりません。これを選考と捉えて、積極的にアピールしている学生が他にもいるのです。彼ら/彼女らに負けないよう、積極的なアピールをしなければいけません。
基本的な話の内容としては、エントリーシートなどを基にして、学生時代に頑張ったことなどを、面接よりも柔らかい雰囲気で話すことと、学生からの質問に答えるという二部構成です。
学生時代に頑張ったことなどは、面接で話すのと同じように、しっかりと論理的に話すようにしましょう。
学生からの質問は、志望度をはかる本当に重要なポイントです。しっかりと考えましょう。
しかし、リクルーター制度は
- 人材のプロである人事が行わない(先輩が人事の場合もあります)
- 基本的には学生が主体的に質問する
という点が少し変わっています。
もちろん、選考と関係があるので、他の記事に書いてあるような、その人の将来性や性格などをみているのですが、これらを面接とは違う形でアピールする必要があります。
また、リクルーターでは特に、その人の性格をチェックします。
じっくりとマンツーマンで話すことができるので、面接などでは見極めにくい学生の本質を見抜こうとします。
リクルーターの建前
リクルーター制度は「本音」で話すことが求められます。
面接のように緊張していながら話すのではなく、「私は正直に話していますよ」ということを、リクルーターに思ってもらう必要があります。先輩に就活相談に乗ってもらっているイメージです。
自分が先輩の立場だと考えてみればわかると思いますが、緊張してガチガチの敬語で話されても、その人のことはわかりませんよね。
リラックスして、正直に話すようにしましょう。
というのが、建前です。
もちろん、信用できる先輩に当たって、自分のことを心から正直に話して好きになってもらうというのも戦略です。コミュ力がある人はこれが得意です。自己開示というやつですね。
しかし、正直な自分が相手が求めているイメージとずれていれば意味がありません。相手が求める姿を見せるのが就職活動です。
そのため、リクルーターという制度上、先輩社員に正直に話を聞いてもらうという態度は見せながら、あくまで選考であり、自分を良く見てもらうという意識は絶対に忘れないようにしましょう。
バカ正直に、自分のダメなところなどを話さなようにしましょうね。よくある就活対策本にあるように、ダメなところを話すようで、実はいいところを話すようにしましょう。
リクルーターという制度を会社側から考えてもらうとわかりますが、会社はコストを払って、学生を囲い込むことを考えています。
きっと、リクルーターに会って話をすると、志望度が上がるでしょう。なぜなら、学生囲い込みのために、会社の悪いところは言わないからです。いいところばかり話してくれるでしょう。それは会社の指示です。
リクルーター側はそれが許されるのに、学生側は正直に話す必要は全くありません。
気兼ねせず、自己アピールの場と捉えてください。
なにをするべきか
基本的な戦略は、リクルーターに気に入られることです。
最低限、自分のスペックが求められている水準にあることを伝える必要があります。これは、別の記事に書いているように、面接と全く同じ心構えで臨みましょう。
しかし、すでに述べたように、リクルーターは人事のプロではありません。そのため、少しでも媚を売ることで、一気に評価を高めることができます。
具体的な方法は、質問の時間に、しっかりと業界・企業分析をした結果を質問することです。
特に、リクルーターの方が所属している部署の仕事をイメージして、質問するようにしましょう。
例えば営業であれば、
「競合の○○と比較して、御社の製品の優位性はどんなところにあると思いますか?」
「お客様はどんな点に満足して買ってくれますか?」
「今後は○○が伸びてきそうな気がするんですが、どうでしょうか?」
などですね。
学生が調べられることなんてたかが知れているので、社員(プロ)が答えられないことなんてないと思います。
こんな質問をしてくれる学生は、リクルーターから見ると、本当にしっかりと働くことをイメージしてくれているんだと感じます。
ここでのプラス点は、非常に獲得しやすい割に、簡単な準備で対応できます。数ある採用過程の中で、これほどコストパフォーマンスのよい評価ポイントはないと思います。しっかりと準備するようにしましょう。
しかし、上の質問はあくまで営業の人向けの質問であり、これを経理の人に聞いても、ピンとこない回答があるだけで終わるでしょう。相手をしっかりと見極めて質問をするのがポイントですね。
できれば、面談の日程調整の段階で、しっかりと相手の所属を確認しておけるといいですね。
あとは、最低限のマナーであったり、話し方さえ気にしていれば、問題はないはずです。
上記のことをしっかりと意識し、リクルーター面談に望みましょう。
最後に
いろいろ対策を述べてきましたが、リクルーター制度というのは、先輩社員との息が合うかに左右される部分が非常に大きいです。
他の企業では内定をもらえても、たまたまリクルーターと馬が合わなかったので選考に進めないということもザラです。しかし逆に、他では鳴かず飛ばずでも、リクルーターにすごく気に入られたから内定をもらうこともあります。
もしリクルーターを獲得するチャンスがあるのであれば、積極的にエントリーしてみましょう。